日出島は日出島海岸の沖600mにあり、地元の人は軍艦島とも呼んでいます。島の周囲は1.8㎞,最高部は50mあります。
昭和10年12月24日 国指定天然記念物 平成25年9月24日 三陸ジオパーク認定

【参考資料】https://www.jstage.jst.go.jp/article/geosoc/123/3/123_2016.0060/_pdf 「岩手県宮古地域の日出島に分布する下部白亜系宮古層群との底生有孔虫化石と堆積環境」
一般社団法人日本地質学会 

 宮古層群は宮古市北部から田野畑層、平井賀層、崎山層が分布し、その沖合の日出島には日出島層が露出しています。

 日本地質学会が日出島の西海岸を予察的に調査した結果、日出島層はタービダイト(乱泥流堆積物)を主体とし、土石流堆積物やスランプ堆積物などを伴う重力流堆積物からなることが明らかになりました。

 土石流堆積物中には浅海域からの流れ込みによる二枚貝化石や外来礫が含まれタービダイドに覆う岩石からは底生有孔虫化石(主に顕微鏡でしか同定できない、大きさが数mm以下の化石)を多産します。

乱泥流堆積を「ダービダイト」と呼ぶ

日出島(上図)の前面の地層を見ていただきたいと思います。横U字型に地層が曲がっていることがわかりますでしょうか?。これがスランプ褶曲です。下部には奥に三層にわたって泥層が連なっています。当時大きな地震にともなう地滑りにより当時の地層の一部が折れ曲がったと考えられます。まさに乱泥流の島にふさわしい地層です。

この日出島から化石が多く見つかったと誤解されていますが、示準化石等は見つかってはいません。残念ながら微化石だけです。(微化石とは、ミリサイズからミクロンサイズの微小な化石の総称です)対岸の宮古層群の「崎山層」である日出島海岸からはアンモナイト等が見つかっています。

「岩手県宮古地域の日出島に分布する下部白亜系宮古層群との底生有孔虫化石と堆積環境」
一般社団法人日本地質学会 

 日出島のスランプ褶曲です。褶曲構造は地層が堆積した後に外から力を受けて地層が曲がるため、地層全体が変形します。

ところがスランプ褶曲は上下の地層が褶曲していないにもかかわらず、挟まれた地層だけが褶曲しているのです。この褶曲は、地震などをきっかけに未固結の堆積物が海底地すべりの流下時に折れ曲がったと考えられます。

タービダイト(乱泥流堆積)があるとその一部にはスランプ褶曲が見られることがあります。
地震による海底地すべりが起こる
未固結の堆積物が海底地すべりの流下時に一部は折れ曲ってスランプとなる
一部の褶曲した地層が海底に定着し、上に新しく砂礫や泥が積もっていく。


写真提供:環境省東北地方環境事務所
日出島は鳥獣保護区であり国の天然記念物であることから島への立ち入りは禁止されています。

 日出島はクロコシジロウミツバメ繁殖地でもあります。

 クロコシジロウミツバメはウミツバメ科の小型の海鳥で、我国で唯一岩手県沿岸の小島で繁殖し、宮古市沖に位置する日出島(ひでしま)はその最大の繁殖地です。この鳥は体重50グラムに満たないヒヨドリ程の大きさで、地中の巣穴に毎年1卵を生み、30年近くも生きます。

 日出島はアカマツを交えた広葉樹林で被われ、林下にはササ類、草木類が密生しています。クロコシジロウミツバメは、これらの樹木の根元や下草が繁った所に深さ約1m近い巣穴を作ります。この鳥は、ウミツバメ科に属し、体は暗色で、尾羽のつけ根が白いのでクロコシジロの名で呼ばれます。毎年、5月ころ島に飛来し、産卵・育雛ののち、10月頃島を去ります。